お年頃の王子様は悶々とする⑥
*気絶中のユーリウスの妄想*
重たい装飾で飾られた窮屈な正装を脱ぎ、簡単な入浴を済ませたユーリウスは寝間着の上にガウンを羽織り隣室へ続く扉の前に立っていた。
扉の向こうは王太子夫婦の寝室となり、結婚式を終えてリージアと夫婦となり初めて足を踏み入れる。
「やっと結婚式を挙げてリージアと夫婦になったのだな」
父親には婚前交渉はしないという誓約書まで書かされ、リージアには「結婚式までは駄目」と拒まれ、事故を装いキス以上の行為を試みようとしても何度も邪魔をされ、我慢を強いられてきた日々が走馬灯の様に脳裏を走り抜けていく。
(これから毎日誰にも邪魔されず、リージアを抱けるのだ!!)
正式に国王と国民から夫婦と認められ、やっとリージアの肌に触れられるのだと思うと感激の涙が流れそうになった。
震える手でドアノブを持ち、寝室の扉を開き室内へ足を踏み入れる。
ソファーに腰かけていたリージアが扉の開閉音で振り向き、ゆっくりと立ち上がった。
“初夜”仕様なのか、膝上丈の透け感のある素材のネグリジェを身に纏い、恥ずかしそうに頬を染めたリージアは視線を逸らして身を縮こませる。
白色レースの面積が少ないパンツがネグリジェから透けて見え、ユーリウスはゴクリと唾を飲み込んだ。
「ユーリウス様……よろしく、お願いします」
ネグリジェから透けて見える肌色と、白色レースのパンツのコントラストが煽情的に見え、視覚だけでユーリウスの感情は一気に昂り、今にも爆発しそうになった。
「リージア!」
恥じらう可愛い妻を抱き締めようと手を伸ばし……突然、ユーリウスの視界が暗転していった。
***
イイところで意識が戻るのはお約束(笑)
本文にいれようかと迷いましたが、これを入れるとユーリウスの残念度を上げてしまうと判断しカットしました。
でも勿体ないので、コソーリ、ここに載せておきます。
今回の話で完結しましたが、時々番外編を更新予定です。これからもよろしくお願いします。
コメントをお書きください